昭和29年(1954年)、私は小学校5年生の時に茨城県竜ケ崎市から転居して参りました。終戦間もない時でしたから、至る所に焼け跡の空き地が有り戦争の爪痕が色濃く残っていました。転校した雑司が谷小学校はモルタル壁の2階建て・1クラスは60人・各学年2クラス構成でしたが、ベビーブーム期の元気な子供達で溢れていました。あの頃は、物質的には恵まれていませんでしたが、大人にも子供にも将来への夢が有り、近隣の家庭は家族も多く、お互いに顔見知りでした。町会の主役は地元の元気な商店主で「運動会」、「相撲大会」、「街路樹の消毒」・・娯楽の少ない時代に活発に活動していました。「コミュニティの確かな絆」で強く結ばれて居た様に思います。 そんな時代から50年・・・私も、私達も、私達の町も、大きく変貌しました。静かだった住宅地の「市街地化」が進み、「大型チェーン店」や「コンビニ」「マンション」が進出し、「サラリーマン」が増えました。「少子化」「高齢化」「核家族化」が進み、「価値観も多様化」しました。「インターネット」の爆発的な普及、「急速に進む高齢者社会」、「30年以内直下型大地震の発生確率70%の予測公表」は特筆すべき現象です。
この様な大きな変動の中で、「町会も大きな曲がり角」に立っている様に思います。「町会はこの時代変革に順応出来ているのか?」・・・「会員の無関心、町会離れ」が言われるのも「この辺に原因が有るのではないか」と感じています。
この様な認識に立って、南池袋二三四町会の活動を次の様に進めて参ります。
町会の長い歴史の中で継承されてきた数々の行事や祭礼は「新たな工夫と改善」を加えながら、これからも大切に育成し継承して参ります。これらの伝統的な町会活動に加え「時代の変革に対応すべき町会の課題」を3テーマ取り上げ その実現に努力して参ります。
第一のテーマは「広報機能の充実」です。
「会員の皆様に、町会活動への関心を寄せて頂き、理解と協力を頂く」事が町会の原点ですが、残念ながら現状とは乖離が有ります。改善の第一歩として、「毎月の町会活動状況」を出来るだけ丁寧に纏め、会員の皆様にお届けする事から始めて居ります。
第二のテーマは「HPの活用」です。
社会の高度化に伴い、日常生活に役立つ情報は年を追って増加して居りますので、現状の「掲示版、回覧板」だけでは追い着きません。「HP」を既に導入している町会も有りますが、当町会でも導入作業を開始しました。「当町会の役員が独力でHPを制作し、運用出来るレベルの実現」を目標に8名のチームが熱心に作業を進めております。「会員と町会とがインターネットの太いパイプ」で結ばれ、会員の皆様のご要望も容易に反映出来るようになります。もっと身近な町会を実現して、「町会イベントに参加頂き、町会のボランティア活動にも気軽に参加頂ける」事を目指しています。
第三のテーマは「高齢者への取り組み」です。
急速に進展する高齢者社会に対し「町会では何が出来るか?何をすべきか?」。町会として取り組む初めてのテーマですので実績も経験も有りませんが、多くの関係部門と連携し、また、地元の高齢者組織である「和楽会」とも連携してこの難しい課題に取り組んで参ります。「南池袋二三四町会は会員の皆様の組織」です。ライフスタイルは大きく変わりましたが、力を合わせて「新たな絆で結ばれる南池袋二三四町会」を創っていきましょう。
スローガンは「みんなで創る二三四町会!」・・・宜しくお願い致します。
磯貝徹二